小林美月選手、2025年に自己記録を更新!

2025年7月4日に開催された第109回日本陸上競技選手権大会で、女子棒高跳の注目選手・小林美月(日本体育大学)が自己ベストを大幅に更新する4m31を記録し、堂々の初優勝を果たしました。学生記録・大学記録も塗り替えたこの快挙は、単なる数字以上に、多くの物語を内包した「挑戦の証し」でした。


基本情報

小林美月選手は、日本体育大学3年生で東京都出身。明星学園高校を経て日体大に進学し、棒高跳というニッチな分野で急成長を遂げてきました。これまでの自己ベストは4m00でしたが、日本選手権での4m31という記録は、大学女子としては異例のレベルであり、日本学生記録を大幅に更新する快挙です。


成績・ハイライト

小林選手は2023年のU20日本選手権で4m00をマークして連覇を達成。関東インカレでも安定した成績を残しており、既に世代トップ選手として注目されていました。そして2025年、ついに全国の舞台で日本一の座をつかみ取りました。4m31は、同大会でのトップ記録であり、今後の国際大会での活躍も期待されます。


日本選手権当日の舞台裏

実は今回の優勝には、大きな困難を乗り越えた背景があります。小林選手は2025年3月に骨折を経験。助走や踏み切りすらままならない時期がありましたが、地道なウェイトトレーニングを積むことで筋力を取り戻し、万全の状態で試合に臨みました。

さらに、これまで成功したことのなかった硬い「マックスポール」を使って4m25をクリアしたことで、流れが変わります。助走・踏切・空中姿勢のすべてが「ハマった」と本人が語る完璧なジャンプで、見事4m31を成功させました。


親子2代での日本一

さらに注目すべきは、小林美月選手の父・史明さんの存在です。父もかつて棒高跳の日本記録保持者であり、1998年大会の覇者。今回の優勝で、親子2代にわたる日本一が実現しました。試合後、初めて父親からハグされたという美月選手のコメントは、多くのファンの胸を打ちました。


小林選手の言葉

「踏み切った瞬間、『これは跳べた』と確信しました。4m31は通過点。もっと高く、もっと強くなって、世界でも通用する選手を目指します」
この言葉からも、彼女の向上心と覚悟がひしひしと伝わってきます。


まとめ

ケガを乗り越え、新たなポールに挑み、そして親子で歴史を刻んだ小林美月選手の2025年日本選手権優勝は、多くの意味を持つ偉業です。4m31はゴールではなく、これからの国際舞台への「はじまりの高さ」。さらなる高みを目指す彼女の活躍に、今後も注目です。