国実百合とは?—1988年デビューの清楚系アイドル

国実百合さんは1970年12月19日生まれ、高知県高知市出身。1987年、高校2年生の時に親に内緒で応募した「ザ・オーディション・ボーイズ・アンド・ガールズ」でグランプリを獲得し、翌1988年にシングル『青い制服』でデビューしました。同期にはWinkや西田ひかるさん、藤谷美紀さんなどがいます。

デビュー曲『青い制服』は、作詞:麻生麗二(売野雅勇)、作曲:林哲司という豪華な布陣で制作され、オリコンチャートで最高19位を記録。清楚で爽やかなイメージが特徴で、多くの歌番組やバラエティー、CMに出演し、人気を博しました。


わずか3年で芸能界引退—その理由とは?

順調に見えた芸能活動でしたが、国実さんは1991年に芸能界を引退します。もともと病弱だった彼女は、忙しさから体調を崩し、腎盂炎を発症。病の悪化により芸能活動を続けることが困難となり、引退を決意しました。

引退後はエステティシャンやセラピストとして活動しながら、一男一女を育てる母親としての生活を送りました。また、マヤ暦カウンセラーとしても活躍し、セラピストとしての経験を積んでいきました。


復活のきっかけ—「忘れ物を取りに帰りたい」

引退から30年以上が経過した2023年、国実さんは再び芸能活動を開始します。復活のきっかけは、コロナ禍で自分の過去を振り返る時間ができたことや、娘が20歳を過ぎたことなどが影響しています。押し入れにしまっていたアイドル時代のグッズやアルバムを見返すうちに、「あの頃の忘れ物を取りに帰りたい」という思いが芽生えたと語っています。

また、デビュー曲『青い制服』の作詞家・売野雅勇さんと作曲家・林哲司さんとの再会も大きな後押しとなりました。彼らから「自分の歌なんですから、歌っていいんですよ」と言われたことで、自身のYouTubeチャンネルを開設し、アイドル時代の楽曲を再び歌うようになりました。


33年ぶりのステージ—ファンとの再会

2024年1月15日、国実さんは東京・新大久保のR’sアートコートで開催されたイベント『アイドルアーカイブス』に出演し、33年ぶりにファンの前で歌声を披露しました。この日は、ベーシストの岡沢茂さんやピアニストの塩入俊哉さんといったベテランミュージシャンがサポートし、代表曲『ボーイフレンド』『友だち以上』『あなたしかいらない』などを熱唱。後半には松田聖子さんや荒井由実さん、中島美嘉さんの楽曲をカバーするなど、多彩なステージを展開しました。

ライブ終了後、国実さんは「みなさんとあの頃にタイムスリップしたような感覚がありました。30年以上もたって、またこうして人前で歌えるなんて、本当にもう奇跡だなって」と感想を述べています。


これからの活動—新たな挑戦へ

現在、国実さんはYouTubeチャンネルを通じて、アイドル時代の楽曲を再び歌う活動を続けています。また、ラジオ番組やイベントへの出演も増えており、今後の活躍が期待されています。

53歳となった今、国実百合さんは「自分のペースで、タイミングで」新たな挑戦を始めています。かつてのファンはもちろん、これから彼女の魅力に触れる新たなファンにとっても、彼女の復活は大きな喜びとなるでしょう。


国実百合さんの復活は、過去の栄光にとらわれず、自分らしく生きる姿勢を示しています。彼女のこれからの活動に注目していきたいと思います。